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貿易展望だよりNO.10事後審査について (2015年7月)  

 「事後審査」といっても、皆さんには余り馴染みがないかもしれませんが、よく理解しておかないと、面倒なことに成り兼ねません。そこで、今号では、「事後審査」を取り上げてみました。
 「事後審査」は、輸出令第7条「輸出の事後審査」に、「経済産業大臣は・・当該輸出が法令に従っているか否かを審査するものとする」と定められ、同じく第10条「報告」に「経済産業大臣は・・必要な報告を徴することができる」と規程されています。これにより、「事後審査」が行われていることになります。 

1.輸入の事後調査との関係
 さて、話を先に進める前に、皆さんがよくご存知の輸入の事後調査と事後審査の関係を、以下、述べてみましょう。
 輸入の事後調査の際、税関の調査官は、当然のことながら、貨物の出入りをチェックします。そして、輸入した貨物の返送或いは返品が発生した場合、これは輸出と見做され、事後審査の対象となります。
 そこで、その対策ですが、ご自分が輸入した貨物が輸出規制の対象かどうかを予め調べておくことに尽きます。即ち、当該輸入貨物が輸出令別表第1に規定の仕様に該当すれば、輸出許可の申請が必要ですし、非該当であれば、通常の輸出通関で良いことになります。この判断はいうまでもなく、ご自身のリスクでせねばなりません。従って、輸入のみであっても、返送や返品が発生しますので、輸出規制にも注意を払わねばなりません。 

2.事後審査の概要
 次に、事後審査の概要について、述べていくことにしましょう。
1)実施部署と目的
 事後審査の実施部署は、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易検査官室(以下、検査官室)であり、皆さんが策定した輸出管理内部規程(以下、規程)は検査官室に提出します(注)。又、事後審査の目的は規程に基き、輸出管理が日常適切に行われているかどうかの確認とされています。

2)税関と経済産業省
 事後審査は、事後調査と違い、審査件数が公表されている訳ではありませんが、私は年間100件近くに昇っているのではないかと推測しています。そして、その可成りの部分が輸入の事後調査に由来するものと思われます。一方、税関が何らかの理由で外為法違反の可能性があると判断しますと、検査官室に必ず連絡していると理解すべきでしょう。
 以前、ある方が輸入の事後調査の際、税関の担当官より、経済産業省にも相談するようにといわれた由です。しかし、いい方が命令口調でなかったこととより、放置しておいた由です。ところが、ある日、突然検査官室より外為法違反を指摘され、対応に大変苦慮したということです。
 このような場合は、税関から指摘された外為法違反の可能性の事実関係を精査し、できるだけ早く検査官室に相談に行き、同室の指示に従うこと肝要です。

3)問題が指摘されると・・
 検査官室より、問題が指摘された場合、通常以下のごとき対応が必要となります。-
➀事案の概要と経緯、社内輸出管理体制、違反等の原因等を網羅した報告書の提出
➁懸念用途に用いられないことの確認書の提示
➂過去5年間の輸出実績の提出(当然のことながら、問題がないことが前提となります。)
④再発防止策の提出、なお、CPを未提出の場合は、CPを策定し、検査官室に提出せねばなりません。
⑤一年後を目途に、実施状況を報告すること。もし、実施状況が不十分と検査官室が判断した場合は、再度事後審査となります。

 以上ですが、大抵の企業は書類の整理保管が不完全で「過去5年間の輸出実績の提出」が非常に難しいのが実態かと思います。一方、検査官室は税関より5年間の通関実績を入手していますので、そうなるととてもお役所には対抗できません。この点からも、書類或いは記録の保管の大切さが判るかと思います。 

注:規程を検査官室に提出し、受理票を入手します。そして、これを包括許可申請の際、申請書類に添付することになります。
                                              以上

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