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貿易展望だよりNO.11規制緩和と安保三原則    

 前号(76号)でもお話ししましたが、昨年の4月に武器輸出三原則(以下、旧三原則)が廃止され、防衛装備移転三原則(以下、新三原則)が施行されました。これは政府内での審査の原則が変わったことを意味しますが、外為法以下の政省令が変わった訳ではありません。
 一方、この新旧三原則を比較してみますと、これは規制緩和と見るべきだと私は思っています。以下、この観点からまとめてみましたので、ご参考になれば幸いです。 

1.輸出は慎む?
 ご存知の通り、旧原則下では、武器(輸出令の1項貨物)の輸出は慎むものとされてきましたが、実際には21もの例外化規定が制定され、年間約2,300件(注1)の輸出許可申請があったとお役所の資料に記されています。
 一方、武器以外の部分、即ち、輸出令別表第1の2から16の項の貨物の輸出許可申請は年間8,000-10,000件と聞いた記憶があります。このような状況下で、新三原則が施行されたことになります(注2)。
 21もの多くの事例を「例外」とするのは無理があり、ルール化し、透明性を高めようというのが新三原則の主旨と報じられています。このように1項貨物は国の内外を問わず、説明しやすくなったことは事実でしょう。
 さて、この十月に防衛装備庁が発足しますが、名前からも判る通り、その目的は防衛装備品の研究開発、調達効率化及びコスト削減等にあることは明白です。従って、長期的にみて、防衛装備品が増加してくると見るべきでしょう。

2.情報の公開
 一方、新三原則施行と同時に、政府は情報の公開を約束しました。即ち、経済産業省は防衛装備の海外移転の状況につき、年次報告書を作成し、国家安全保障会議に報告・公表するとしています。
 今まで、年次報告書という形では、公表されていませんでしたので、この点からも民間の人間にとっては判り易く、かつ、海外の取引先にも説明しやすくなったといえるでしょう。このように、安全保障は規制緩和されてきているというのが私の実感です。 

3.ユーロサトリでは・・
 前号(76号)では、昨年6月にパリで開催されたユーロサトリに、日本企業が13社出展したと申し上げました。より正確に言えば、ユーロサトリの民生品セクションにJAPAN PAVILIONが設けられ、そこに13社が出展したということです。この分野での世界で最大の展示会に、このような形でまとまって出展したことは初めてといわれています。
 我が国の国是からいっても、防衛装備品はセキュリティ関連或いは汎用品が中心になりましょうが、この分野はまだまだ手付かずの領域が多いでしょうから、今後いろいろな形で市場開拓が行われるものと思われます。

4.スペックがない
 さて、最後に一点申し上げておきたいと思います。それは1項貨物の特徴は、他の項の貨物と違い、貨物等省令にスペック(仕様)が規定されていない(注3)ことです。即ち、どの程度のスペックであれば許可されるのか、許可申請してみないと判らないことになります。従って、他社より先に申請し、この点を把握できれば、有利といえるでしょう(注4)。

注1:その殆どが防衛装備品等の修理修繕に係る輸出とされています。
注2:新三原則については、安全保障貿易管理のホームページ:
http://www.meti.go.jp/policy/anpo・・に入り、「防衛装備移転三原則」で検索されると詳細が出てきますので、ご参照ください。
注3:仕様は規定されていませんが、他の項同様、解釈は規定されていますので、解釈までチェックする必要があります。

注4:法令面では、外為法第55条の13に「行政手続法の適用除外」が規定されておりますので、前例は尊ばずということになりますが、実際の輸出許可申請では、前例に則ることが多いと私は理解しています。

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