貿易展望だより NO.25 研究等告示について(2016年4月)
前回の24号では、キャッチオール(CA)規制を前提に、関税法から始まって補完規制通達に至る法規制の流れを申し述べました。今号では、24号で触れた補完規制通達「4)用途の確認」の別表行為の第六号について、説明したいと思います。急に細部にわたる話になりますが、ここでの考え方が他の重要な個所(後述します)でも使われていますので、ここで説明しておいた方が良いかな・・と考えた次第です。
1.おそれ省令六号
そこで、まず、別表行為ですが、これは核兵器等開発等省令(おそれ省令)(注)の別表に掲げる行為を指し、一号~六号まであります(P472)。一号~五号はよく読めば判ると思いますので、省略します。問題は六号ですので、以下説明しましょう。
QUOTE
六 化学物質の開発もしくは製造(大臣が告示で定めるものを除く)-途中省略-であって、軍若しくは国防に関する事務をつかさどる行政機関が行うもの若しくはこれらの者から委託を受けて行うことが明らかにされているもの
UNQOT
・・となっており、
1)「軍若しくは国防・・が明らかにされているもの」の行為が規制の対象ということです。
2)「大臣が告示で定めるものを除く」ですが、この告示が研究等告示(P476)を指します。
2.研究等告示
研究等告示は、正式には、「輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令別表第六号の規定により経済産業大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造及び宇宙に関する研究」といい、以下のごとく、規定されています。
一:大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造とは、次のいずれにも該当しないことが明らかなものをいう。
1.軍用の化学製剤の原料(以下省略)
2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造
二:・・宇宙に関する研究であって(以下省略)
上記の一により、「大臣が告示で定めるもの」とは、「化学物質の開発又は製造であって、次のいずれにも該当しないことが明らかなもの」となり、従って、「1.軍用の化学製剤の原料・・及び2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」に該当しないことが明らかなもの・・を除くことになりますので、結局のところ、「軍用の化学製剤の原料・・及び農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」が規制対象ということです。
なお、上述の条文中に、「明らかなもの」という表現が出てきますが、「1.軍用の化学製剤の原料・・及び2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」に該当するかどうか不明の場合は、「明らかなもの」とはいえませんので、規制対象にはなりません。
3.他の重要な個所
研究等告示に類似の書き振りは、輸出令第4条第1項第三号、貿易外省令第9条第2項第七号等の重要な個所に見られます。どうして、このような表現になるかについては、チャンスがあれば申し述べたいと思いますが、いずれにしても、法令条文を学んでいく以上は、このような法令特有の表現に慣れていく以外にありません。
以上
注:通常兵器開発等省令はおそれ省令ほど複雑な構造になっていませんので、慎重に読まれれば理解でき
ると考え、今号ではおそれ省令を取り上げました。従って、本レポートは通常兵器開発等省令とは、
無関係です。なお、外為法第48条からおそれ省令に至る流れは、NO.24を熟読願います。
前回の24号では、キャッチオール(CA)規制を前提に、関税法から始まって補完規制通達に至る法規制の流れを申し述べました。今号では、24号で触れた補完規制通達「4)用途の確認」の別表行為の第六号について、説明したいと思います。急に細部にわたる話になりますが、ここでの考え方が他の重要な個所(後述します)でも使われていますので、ここで説明しておいた方が良いかな・・と考えた次第です。
1.おそれ省令六号
そこで、まず、別表行為ですが、これは核兵器等開発等省令(おそれ省令)(注)の別表に掲げる行為を指し、一号~六号まであります(P472)。一号~五号はよく読めば判ると思いますので、省略します。問題は六号ですので、以下説明しましょう。
QUOTE
六 化学物質の開発もしくは製造(大臣が告示で定めるものを除く)-途中省略-であって、軍若しくは国防に関する事務をつかさどる行政機関が行うもの若しくはこれらの者から委託を受けて行うことが明らかにされているもの
UNQOT
・・となっており、
1)「軍若しくは国防・・が明らかにされているもの」の行為が規制の対象ということです。
2)「大臣が告示で定めるものを除く」ですが、この告示が研究等告示(P476)を指します。
2.研究等告示
研究等告示は、正式には、「輸出貨物が核兵器等の開発等のために用いられるおそれがある場合を定める省令別表第六号の規定により経済産業大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造及び宇宙に関する研究」といい、以下のごとく、規定されています。
一:大臣が告示で定める化学物質の開発又は製造とは、次のいずれにも該当しないことが明らかなものをいう。
1.軍用の化学製剤の原料(以下省略)
2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造
二:・・宇宙に関する研究であって(以下省略)
上記の一により、「大臣が告示で定めるもの」とは、「化学物質の開発又は製造であって、次のいずれにも該当しないことが明らかなもの」となり、従って、「1.軍用の化学製剤の原料・・及び2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」に該当しないことが明らかなもの・・を除くことになりますので、結局のところ、「軍用の化学製剤の原料・・及び農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」が規制対象ということです。
なお、上述の条文中に、「明らかなもの」という表現が出てきますが、「1.軍用の化学製剤の原料・・及び2.農薬(殺菌剤を含む。)、肥料又は殺虫剤の開発又は製造」に該当するかどうか不明の場合は、「明らかなもの」とはいえませんので、規制対象にはなりません。
3.他の重要な個所
研究等告示に類似の書き振りは、輸出令第4条第1項第三号、貿易外省令第9条第2項第七号等の重要な個所に見られます。どうして、このような表現になるかについては、チャンスがあれば申し述べたいと思いますが、いずれにしても、法令条文を学んでいく以上は、このような法令特有の表現に慣れていく以外にありません。
以上
注:通常兵器開発等省令はおそれ省令ほど複雑な構造になっていませんので、慎重に読まれれば理解でき
ると考え、今号ではおそれ省令を取り上げました。従って、本レポートは通常兵器開発等省令とは、
無関係です。なお、外為法第48条からおそれ省令に至る流れは、NO.24を熟読願います。
http://www.bouekitenbou.com/no25307403135031561215783103412395123881235612390.htmlNO.25 研究等告示について