私は、「NO.28 行政手続法の適用除外とその対処」の中で、「我々輸出者(注)は三蔵法師の掌の上の孫悟空のようなもの」・・と申し上げました。心構えとしては、これで宜しいかと思いますが、これでは抽象的に過ぎますので、もう少し、SPECIFICに申し上げることにしましょう。即ち、政府がどうやって外為法の下で、我々を規制しようとしているかということです。
この点は、今までに差し上げてきた「貿易展望だより」で何度か触れていますので、ここでまとめてみることにしました。なお、原則として貨物を前提に書きますが、技術も対象となることは言う迄もありません。
注:より正確に言えば、「輸出(を)しようとする者」が規制の対象となりますが、「輸出者」と称することが多いといえるでしょう。
➁インフォーム要件
キャッチオール規制に関しては、経済産業省はいつでもインフォーム要件を使うことにより、輸出者等(注)に輸出(提供)許可申請させることができます(輸出令4-1-三-ロ&ニ、貿易外省令9-2-七-ロ&ニ、補完規制通達 記3-(1)&(2))。
一方、滅多にあることではありませんが、我々輸出者等は経済産業省から何を言ってくるか判りませんので、本件の対策は立てようがありません。
しかし、少なくとも後述するようにCPを定め、それを遵守し記録を残していくことが必要です。
注:輸出者等とは、貨物の輸出者又は技術の提供者を指します。
➂行政手続法の適用除外 外為法は行政手続法の適用除外を受けており、「許可するかどうかの判断基準を定めなくても良く、又、不利益処分の判断基準を公にしなくても良い」とされています(外為法第55条の13)。それだけ、国に大きな裁量が与えられているといえるでしょう。詳しくは、「NO.35 行政手続法の適用除外・・」をご参照ください。
④行政制裁 3年以内の期間を限り、輸出を行い、又は、技術を提供することを禁止することができる(外為法第53条&第25条の2)・・とされています。輸出(提供)禁止になりますと、違反を起こしたもののみならず、全てが対象となりますので、ご注意ください。なお、行政制裁には、時効は存在しませんし、裁判と違い非常に早期に下されることに留意すべきでしょう。
私の承知している例では、新聞報道されてから3ヵ月後に行政制裁が下されたことがあります。従って、実際には裁判よりも行政制裁の方が輸出者にとりインパクトが大きいと考えます。
⑤罰則が非常に厳しいこと
外為法の罰則は、いろいろとありますが、最も厳しい無許可輸出ですと、「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処し、又は、これを併科する」とされており、更に、違反行為の目的物の価格の5倍が1,000万円を超えるときは、罰金は当該価格の5倍以下とする旨規定されています。
一方、食品衛生法と見てみますと、最も厳しいもので、「3年以下の懲役もしくは20万円以下の罰金に処し、・・情状により併科することができる。」・・となっていますので、如何に外為法の罰則が厳しいかが判ると思います。詳しくは、外為法第9章罰則(第69条の6~第73条)をご参照ください。
このように行政としては、様々な手段を保持し、これらを駆使していかないと「我が国又は国際社会の平和及び安全の維持」は達成できないということです。一方、我々輸出者はこのような法規制の下で、輸出に取組まねばなりません。
では、どうしたら身を守れるか・・結論を申し述べますと、「輸出管理内部規程、COMPLIANCE PROGRAM(以下、CP)」を定め、これを遵守し、更に適切に記録を残していくことが大切ということです。
なお、CPについては、「NO.26遵守基準と内部規程」をご参照ください。又、我々の負担を軽減する方法の一つとして、包括許可があります。詳しくは、「NO.14包括許可と個別許可」をご参照願います。
この点は、今までに差し上げてきた「貿易展望だより」で何度か触れていますので、ここでまとめてみることにしました。なお、原則として貨物を前提に書きますが、技術も対象となることは言う迄もありません。
注:より正確に言えば、「輸出(を)しようとする者」が規制の対象となりますが、「輸出者」と称することが多いといえるでしょう。
- 委任立法
➁インフォーム要件
キャッチオール規制に関しては、経済産業省はいつでもインフォーム要件を使うことにより、輸出者等(注)に輸出(提供)許可申請させることができます(輸出令4-1-三-ロ&ニ、貿易外省令9-2-七-ロ&ニ、補完規制通達 記3-(1)&(2))。
一方、滅多にあることではありませんが、我々輸出者等は経済産業省から何を言ってくるか判りませんので、本件の対策は立てようがありません。
しかし、少なくとも後述するようにCPを定め、それを遵守し記録を残していくことが必要です。
注:輸出者等とは、貨物の輸出者又は技術の提供者を指します。
➂行政手続法の適用除外 外為法は行政手続法の適用除外を受けており、「許可するかどうかの判断基準を定めなくても良く、又、不利益処分の判断基準を公にしなくても良い」とされています(外為法第55条の13)。それだけ、国に大きな裁量が与えられているといえるでしょう。詳しくは、「NO.35 行政手続法の適用除外・・」をご参照ください。
④行政制裁 3年以内の期間を限り、輸出を行い、又は、技術を提供することを禁止することができる(外為法第53条&第25条の2)・・とされています。輸出(提供)禁止になりますと、違反を起こしたもののみならず、全てが対象となりますので、ご注意ください。なお、行政制裁には、時効は存在しませんし、裁判と違い非常に早期に下されることに留意すべきでしょう。
私の承知している例では、新聞報道されてから3ヵ月後に行政制裁が下されたことがあります。従って、実際には裁判よりも行政制裁の方が輸出者にとりインパクトが大きいと考えます。
⑤罰則が非常に厳しいこと
外為法の罰則は、いろいろとありますが、最も厳しい無許可輸出ですと、「10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処し、又は、これを併科する」とされており、更に、違反行為の目的物の価格の5倍が1,000万円を超えるときは、罰金は当該価格の5倍以下とする旨規定されています。
一方、食品衛生法と見てみますと、最も厳しいもので、「3年以下の懲役もしくは20万円以下の罰金に処し、・・情状により併科することができる。」・・となっていますので、如何に外為法の罰則が厳しいかが判ると思います。詳しくは、外為法第9章罰則(第69条の6~第73条)をご参照ください。
このように行政としては、様々な手段を保持し、これらを駆使していかないと「我が国又は国際社会の平和及び安全の維持」は達成できないということです。一方、我々輸出者はこのような法規制の下で、輸出に取組まねばなりません。
では、どうしたら身を守れるか・・結論を申し述べますと、「輸出管理内部規程、COMPLIANCE PROGRAM(以下、CP)」を定め、これを遵守し、更に適切に記録を残していくことが大切ということです。
なお、CPについては、「NO.26遵守基準と内部規程」をご参照ください。又、我々の負担を軽減する方法の一つとして、包括許可があります。詳しくは、「NO.14包括許可と個別許可」をご参照願います。
http://www.bouekitenbou.com/no363521521046123983544332048.htmlNO.36規制の詳細