貿易展望だよりNO.38濃淡管理について(2016年11月)
「濃淡管理」という用語をよく耳にされると思います。例えば、「機微度に応じて濃淡管理する」という風に使われます。さて、「機微度」については、NO.7にて既に解説しましたので、そちらをご参照願うとして、今号では、濃淡管理について、お話ししましょう。例により、貨物を前提に話しますので、技術については貨物に準じてお考えください。なお、濃淡管理も機微度も法律用語ではありませんので、定義がある訳ではありません。
1.濃淡管理とは・・
安全保障貿易管理は基本的に自主管理を旨としますので、皆さんの貨物が規制の範囲に入っていれば、自主的に、かつ、適切に管理する必要があります。しかしながら、個々の貨物により、当然のことながら、機微度が違います。この違いを無視して、一様に管理したのでは、無駄なエネルギーを使ってしまうでしょう。そこで、機微度に応じて、管理の度合いを変えていこうというのが、濃淡管理の考え方です。
2.貨物を大別すると・・
輸出規制の観点からいえば、貨物は、大きく分けて、以下の三つになります。 1)規制該当貨物(品名も仕様も規制に該当する貨物)
2)非該当貨物(品名は該当するが、仕様が規制値に満たない貨物)
3)規制対象外貨物(品名も仕様も非該当な貨物)
この内、1)と3)は自明の理ですので、説明は省略します。換言すれば、2)の非該当貨物をどう濃淡管理していくかがポイントになってきます。
3.では、どう濃淡を付けていくか
この点については、事例を挙げた方が判り易いと思いますので、以下を参考にしてください。言う迄もなく、各項の下に行くに従って、機微度は低くなります。
1)貨物の観点から見ると・・
狭義の武器:直接戦闘の用に供されるもので、1の項の該当する貨物
↓
他の1の項の該当する貨物で、直接戦闘の用に供されないもの
↓
14の項(軍需品:MUNITIONS LIST)、2項:原子力、3項:化学兵器、3の2項:生物兵器、
4項:ミサイル
↓
汎用性のある貨物・・輸出令別表第1の5項から15の項が該当します。なお、汎用(DUAL USE)とは軍用にも民生用にも使えるということです。
↓
民生用の貨物、例えば、医療機器、農業用機械、食品機械、製紙機械、繊維機械等・・
但し、機械本体は規制対象外だが、部分品のみ輸出する場合は規制対象となることがありますので、ご注意願います。この点は稿を改めて解説します。
↓
キャッチオール規制の対象貨物(NO.27ご参照ください。)
2)国の観点から見ると・・
別4地域(懸念3ヵ国)・・イラン、イラク、北朝鮮
↓
国連武器禁輸国・地域(輸出令別表第3の2ご参照)。なお、イラクと北朝鮮は、別4地域と重複しています。
↓
一般国(別4地域、国連武器禁輸国・地域及びホワイト国の除いた国・地域を指します。)
↓
ホワイト国
3)危険な先かどうか
一般論としては、危険な先に機微度が低い貨物を輸出する場合と行儀の良い先に機微度の高い貨物を輸出する場合では、後者の方が安心していられるのは事実でしょう。
4)告示貨物(輸出令別表3の3に規定の19品目)及び輸出令別表第1の15の項の貨物(注)
↓
そうでない他の貨物 注:いずれの貨物も少額特例の適用対象が5万円以下となっています。
以上は私が常識の範囲で策定したものですので、貴社のご事情に合わない場合は、適宜順番を変えるなり、修正していってください。これ以外にも、濃淡管理の方法はいくつもあろうかと思いますので、気が付かれたら、適宜、追加されたらどうかと思います。
私の著書↓
「濃淡管理」という用語をよく耳にされると思います。例えば、「機微度に応じて濃淡管理する」という風に使われます。さて、「機微度」については、NO.7にて既に解説しましたので、そちらをご参照願うとして、今号では、濃淡管理について、お話ししましょう。例により、貨物を前提に話しますので、技術については貨物に準じてお考えください。なお、濃淡管理も機微度も法律用語ではありませんので、定義がある訳ではありません。
1.濃淡管理とは・・
安全保障貿易管理は基本的に自主管理を旨としますので、皆さんの貨物が規制の範囲に入っていれば、自主的に、かつ、適切に管理する必要があります。しかしながら、個々の貨物により、当然のことながら、機微度が違います。この違いを無視して、一様に管理したのでは、無駄なエネルギーを使ってしまうでしょう。そこで、機微度に応じて、管理の度合いを変えていこうというのが、濃淡管理の考え方です。
2.貨物を大別すると・・
輸出規制の観点からいえば、貨物は、大きく分けて、以下の三つになります。 1)規制該当貨物(品名も仕様も規制に該当する貨物)
2)非該当貨物(品名は該当するが、仕様が規制値に満たない貨物)
3)規制対象外貨物(品名も仕様も非該当な貨物)
この内、1)と3)は自明の理ですので、説明は省略します。換言すれば、2)の非該当貨物をどう濃淡管理していくかがポイントになってきます。
3.では、どう濃淡を付けていくか
この点については、事例を挙げた方が判り易いと思いますので、以下を参考にしてください。言う迄もなく、各項の下に行くに従って、機微度は低くなります。
1)貨物の観点から見ると・・
狭義の武器:直接戦闘の用に供されるもので、1の項の該当する貨物
↓
他の1の項の該当する貨物で、直接戦闘の用に供されないもの
↓
14の項(軍需品:MUNITIONS LIST)、2項:原子力、3項:化学兵器、3の2項:生物兵器、
4項:ミサイル
↓
汎用性のある貨物・・輸出令別表第1の5項から15の項が該当します。なお、汎用(DUAL USE)とは軍用にも民生用にも使えるということです。
↓
民生用の貨物、例えば、医療機器、農業用機械、食品機械、製紙機械、繊維機械等・・
但し、機械本体は規制対象外だが、部分品のみ輸出する場合は規制対象となることがありますので、ご注意願います。この点は稿を改めて解説します。
↓
キャッチオール規制の対象貨物(NO.27ご参照ください。)
2)国の観点から見ると・・
別4地域(懸念3ヵ国)・・イラン、イラク、北朝鮮
↓
国連武器禁輸国・地域(輸出令別表第3の2ご参照)。なお、イラクと北朝鮮は、別4地域と重複しています。
↓
一般国(別4地域、国連武器禁輸国・地域及びホワイト国の除いた国・地域を指します。)
↓
ホワイト国
3)危険な先かどうか
一般論としては、危険な先に機微度が低い貨物を輸出する場合と行儀の良い先に機微度の高い貨物を輸出する場合では、後者の方が安心していられるのは事実でしょう。
4)告示貨物(輸出令別表3の3に規定の19品目)及び輸出令別表第1の15の項の貨物(注)
↓
そうでない他の貨物 注:いずれの貨物も少額特例の適用対象が5万円以下となっています。
以上は私が常識の範囲で策定したものですので、貴社のご事情に合わない場合は、適宜順番を変えるなり、修正していってください。これ以外にも、濃淡管理の方法はいくつもあろうかと思いますので、気が付かれたら、適宜、追加されたらどうかと思います。
私の著書↓
http://www.bouekitenbou.com/no382861128129316492970212395123881235612390.htmlNO.38濃淡管理について