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貿易展望だより NO.50 安全保障貿易管理の出発点と他法令(2017年5月) 
                                                                                  永野靖夫:http://www.bouekitenbou.com        
  早いもので、2015年2月に貿易展望だよりの第1号を発信して以来、今号で50号となりました。今まで、安全保障貿易管理(以下、安貿)を様々な角度から取り上げてきましたが、安貿の出発点については触れてきませんでした。そこで、今号では、最も基本的なこの点について触れ、その後で、敷衍して条文の構造を説明したいと思います。なお、外為法は、安貿以外の分野も勿論カバーしていますが、本レポートでは安貿に絞って申し述べます。

1.他法令確認
  結論から申しますと、安貿は関税法第70条第1項に由来します。これが、関税法と外為法の接点といえるでしょう。そこには、こう書かれています。第70条第1項(要旨):他の法令(注1)により、許可、承認等を必要とする貨物については、輸出申告の際、許可、承認等を受けている旨、税関に証明しなければならず、又、第3項では、確認を受けられない貨物については、輸出を許可しないと規定されています(注2)。なお、輸入については、出航前報告制度(たよりNO.30ご参照)を除いて、規制はありません。

では、どのような法律が輸出の他法令として、何処に規定されているか・・という点ですが、これは関税法基本通達70-1-1に規定されています。又、輸入の他法令は関税法基本通達70-3-1に定められています。
 関税法基本通達は詳細については、日本関税協会から関税法関係基本通達集が発行されていますので、これを参照してください。基本通達70-1-1の劈頭に外為法が掲載されています。そこには、外為法の規定により必要とされる輸出許可書を輸出申告書に添付させることにより、輸出規制を解除する旨、記されています。

2.条文の構造
 ここで、条文の構造について、触れておきたいと思います。
条文は、条(見出しと条名、即ち、「第◯条」)→項→号の順で書かれていることはご存じの通りです。一方、第70条第1項を見ると、1は書かれていません。しかし、後続の条文に2が出てきますので、その前が第1項であることが判ります。なお、項の場合は、1、2、 3のごとく算用数字が使われ、号の場合は、一、二、三のごとく漢数字が使われます。
なお、条の後に項がこず、号がくる場合があります。例えば、貨物等省令(注3)には項がなく、号になっていますので、ご注意ください。従って、項か号かが判らない場合は算用数字か漢数字かで判断していくことになります。
 
注1: 関税法では、「他の法令」となっていますが、通常、他法令と呼ばれており、他法令とは関税三法(関税法、関税定率法及び関税暫定措置法)以外の法律で、通関時に税関が確認する法律をいいます。
注2:許可・承認等の他に、検査の完了又は条件の具備が規定されていますが、安貿の場合は許可・承認等の内の許可が対象となりますので、検査の完了等は省略しました。なお、輸出令別表1の貨物を輸出する場合は「許可」が、別表2の貨物を輸出する場合は、「承認」という言葉が使われています。
注3:正式名称は、「輸出貿易管理令別表第1 及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」といいます。

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