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貿易展望だより NO.8:輸出許可基準について (2015年6月)
                             
 我々輸出者が輸出許可を申請したとして、最も気になる点は、どういう基準で審査されるのかということでしょう。この点に関して、運用通達1-1-(7)-(ニ)-(a)(P544)では、輸出許可基準が、以下のごとく、規定されています(注1)。

 1.輸出許可基準
1)貨物が実際に需要者に到達するのが確からしいか否か
2)申請内容にある需要者が貨物を使用するのが確からしいか否か
3)貨物が国際的な平和及び安全の維持を妨げるおそれのある用途に使用されないことが確からしいか否か
4)貨物が需要者によって適正に管理されるのが確からしいか否か 
 このように、審査官は輸入者ではなく需要者(正確に言えば最終需要者)の視点に立って審査しますので、上記の四つの基準を常に念頭に置いて、申請書類を作成し、かつ、審査官との折衝を心掛けていく必要があります。

2.では、どういう展開になるか・・
 次に、「貿易展望だよりNO.1」の続きという前提に立って、実際にはどういう展開になるか述べてみたいと思います。

1)軍用ではないか?
 我々申請者は、汎用品を通常の貨物と見勝ちですが、審査官は当然のことながら軍用に使われるのではないかとの観点から、チェックしてきます。例えば、輸入者或いは需要者(以下、取引先)のホームページに、軍との取引きがあると書かれていた場合(注2)、当該貨物が軍に納入されない旨、審査官の納得のできる説明ができねばなりません。
 従って、取引先の英語のホームページは当然のこととして読んでおく必要があります。更に、私の場合、審査官は中国語のホームページも読んでいましたので、対応に苦慮しました。そこで、審査官の危惧を中国側に正確に伝え、当該貨物が軍用には使われない旨の書簡を作成してもらい、これで審査官に納得してもらいました。

2)横流れしないか
 上記と関連しますが、審査官は貨物が最終需要者に納入されず、途中で横流しされるのではないかと常に心配しています。私の場合は、最終需要者の名前と住所を申請書類に明記しただけでは不十分で、最終需要者の存在を証明せねばなりませんでした。更に、輸入者と最終需要者間の契約書の提示を求められた次第です。
 この点を中国側に問い合わせたところ、そのような契約書は存在せず、貨物が納入され次第、輸入者より最終需要者に請求書を発行することで、長年問題なくやってきたとのことでした。そこで、この点を説明する書簡を作成し、これに輸入者と最終需要者のサインを取得し、これで審査官にどうにか納得して貰いました。

注1:―
「許可基準」は、私が承知している限り、輸出許可基準の他に、以下の二つがあります。内容は輸出許可基準に準じていますので、申請の際の参考にされてください。
1)役務取引許可基準(P589)
2)仲介貿易取引許可基準(P584)

注2:中国に限りませんが、軍と取引があるということは信用のある会社の証と現地では見られ勝ちですので、どの会社もこの点を強調する傾向があります。この点十分注意して、取引先のホームページを読んでいってください。

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